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高5m以下で、沼地・湿地であったが、一部カビ・パラワン・バナナの見られる森となっている。水田・草叢・ホテイアオイの生える沼地・森等広い生息地の土地利用は複雑である。浅い幅1m程のクリークの水位と周囲の水田面とはほとんど同じで、また湖水に近いことから湖面とも水位は変わらないものと考えられる。灰褐色に濁った水が見られたことから、グライ土壌で細粒質の土壌からなると考えられる。
3)Balud Creek ?、Adrialuna、Naujan(図19)
Macatoc Riverの分岐した2流路の河間、南の流路寄りにある。背の高い熱帯林、低木、バナナ、パラワン等の植生もみられるが、湖水の湿草地にも近く、冠水は多雨時に頻繁に起こるようで、道もぬかるみとなり足場が悪く木道が作られている。水や土壌の色から粘土質のグライ層と考えられる。
Macatoc Riverの北側の川と思われるクリークには丸木橋フットブリッジが架けられている。地元民がクリークに入り腰まで水に漬かりながら、手を曳いてくれクリークを渡ることができた。
4)Balud Interior Forest、San Pedro、Naujan(写真43、図19)
低平な湿地帯の中では珍しく背の高い木の多く見られる熱帯林で、根もとは水溜まりあるいは水路で、ぬかるみとなっている。家はニッパヤシの葉で作られている。
5)Malayas−Malinao Estate、San Gelacio等、Victoria(図18)
Naujan湖の南西部山地下位面、扇状地上位面、同下位面、台地面等高位の傾斜地が湖畔に迫る標高10m以下の狭い低地にある。8月1日Socorroの調査を終え国道から見晴らした時見られた大木はガジュマルであった。幹の直径は5mもあり美樹である。大木はこれのみで、湖畔の水草地が生息地となっている。湖水近くでありまた背後の山地から流れ込む河川で水位が高く、水田の脇の溝は排水不良で、腐敗した水もあった。湖水近いためか、配管した自噴井があり、生活用水は豊富で洗濯や水浴びをする家族がいた。湿地にもかかわらず、赤色土が見られ、背後の山地や扇状地の風化土壌と思われる。痩せた犬がおり、犬の糞も散らばっていた。田植えの傍ら稲刈りも行われていて、年間を通しての農作業と感染が推測された。

 

 

 

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